赤字15年を耐えて福岡一へ

「創業15年の赤字を乗り越え、夢を実現した男」

 

福岡NO1の独立系英会話学校

  • FCC 福岡コミュニケーションセンター

代表取締役 赤峰美則

 

酪農学園→アメリカ牧場留学2年→英会話教材セールス10年→35歳で英会話学校設立

 

生徒数約400名。地元福岡の独立系英会話学校で、生徒数・授業内容でトップクラスと言われるのがFCCだ。英会話力アップを保証する「TOEIC200点アップ保証コース」、単なる英会話だけでない「グラマー」「リスニング」「ディスカッション」「スピーキング」等の多彩な授業、毎週の「英語日記」添削システム等、従来の英会話学校が打ち出せない仕組みを作り上げ、この数年、急速に規模を拡大している。

創業は昭和59年だが、実は黒字転換したのは平成11年。それまで15年間も赤字続きだった。

 

■牧場を経て、歩合セールスへ

 

赤峰は昭和24年、大分県九重町で生まれた。実家は牛を飼う農家。将来は実家を継ごうと、赤峰は高校を卒業すると北海道の酪農学園(通信制)に入学。その後、アメリカ・ワシントン州に渡り、開拓牧場主の元で2年間を過ごした。しかし、帰国後は牧場を諦めた。牧場の将来に見通しが立たなかったからだ。

何をやろうか。何気なく見た新聞の求人広告で、英会話教材の外資系販売会社に入社した。初めての就職だったが、赤峰はあえて固定給ゼロの歩合セールスを選ぶ。

「牧場を耕すのと同じ。ゼロから開拓しようと、迷いはありませんでした。それに、歩合=完全実力主義。自分の半端な学歴・職歴も全く関係ない。ここなら勝負できると思いましたね」。

当時は訪問販売花盛りの頃で、百科事典の次に売れていたのが英会話教材。社会人を対象に、九州一円をマーケットに営業を繰り返した。

昭和40年代。時代はまさに高度成長期で、アメリカから様々なモノやサービスが輸入されていた。英会話教材もその一つ。

「しかし、当初3カ月は売上ゼロで給与もゼロ。社内で電話アポイントを取るんですが、私は田舎者でセールストークも下手。皆に聞かれるのが恥ずかしく、毎朝6時頃に出社して練習しました」。

努力が実を結び、赤峰は徐々に営業のコツをつかむ。入社8カ月後には鹿児島営業所を任され、全国営業ベスト10に入った。

4年後には同業他社に引き抜かれ、大分で自宅を事務所に1人で代理店を開設。多い時は営業マンを50人ほど抱え、月収も200万円を超えた。

「俺は商売の天才だと思い、商店街でも道路の真ん中を威張って歩いていました。恐いものは何もなかったですね」。

しかし赤峰は、徐々に自分の仕事に疑問を抱くようになる。

 

■虚業に気づき、独立開業を決意。

 

ある日、赤峰が町を歩いていると、英会話教材を買ったお客が前から歩いてきた。その瞬間、赤峰は顔を合わさないように物陰に隠れた。

「そんな行動をとった自分にビックリしました。つまり、教材は売ったが、売りっぱなし。自分でもわかっていたんですね。それまでは夢中で売っていたんですが、これではいけない。こういう虚業をやっていてはいけないと気づきました」。

他の英会話教材の会社への転職も考えたが、実態はどこも似たような教材販売形式。しかし、他の業界はわからない。この英会話の業界でヤルしかない。しかし、もう、無責任な仕事はしたくない。理想の英会話学校をやるには、自分でやるしかない。

そして昭和59年、赤峰は地元大分を離れ、福岡で英会話学校FCCを設立。開業資金500万円で、スタッフは自分と営業社員の2人。博多駅裏の小さな雑居ビルに10坪の教室をオープンした。

 

■カードやサラ金で借金1700万円

 

しかし、生徒をどうやって集めたらいいかわからない。しかたなく、昔取った杵柄で、学生寮などを飛び込んで勧誘活動。毎日毎日、100件は廻った。以前の会社は教材を売りっぱなしだったが、赤峰は、教材を売った後もフォロー授業を教室で行うようにした。しかし、その分、経費や手間暇がかかり、なかなか利益につながらない。

一時は営業マンも7~8人も雇い、訪問販売を強化した。しかし、いっこうに成績は上がらない。

「以前はあんなに売れたのに、なぜ売れないんだ」。

実はその頃には、高額な英会話教材のピークは終わり、徐々に英会話はスクール通学で学ぶ時代に変わっていたのだ。

しかし、そんな事にも気づかない赤峰は、カードローン14社にサラ金1社にまで手を出し、借金は約1700万円になって会社も個人も火の車。

「毎月の月末は、いつも資金繰りで大変でした。当時の社員は固定給でしたから、売れなくても給与の支払いはしないといけない。家賃や講師の支払いもある。勿論、私の給与はゼロです。今考えても、どうやって生活できたのか不思議です」。

経営コンサルタントを入れて改革を頼んだが、コンサルの結論は「このままでは人件費がかさむだけで会社は潰れる。全員解雇だ!」。

結局、営業マン全員に辞めて貰い、スタッフは赤峰と事務の女性の2人だけに。

創業10年目にして、また一からの出直しとなる。

 

■訪問販売を辞め、広告集客で成功へ

 

「辞めて貰った営業マンには、申し訳ない気持ちで一杯でした。彼らにも生活があり、家族もあった。時代が変わっていたとは言え、育てられなかった私の責任です。経営者としての自信を失い、もう、営業マンは雇わないと決めました」。

これで一気に固定費は下がったが、課題はやはり生徒集め。もはや営業は自分一人しかいない。赤峰は思い切って教材販売を辞め、スクール通学形式一本に絞る。それから生徒募集のチラシを持ち、アチコチの会社に飛び込み訪問した。

「こちらの社内で、英会話に興味がある人へこのチラシを渡して下さい。宜しくお願いします!」。

年中無休で休みなし。朝から晩まで駆けずり回り、多い時は一日300件も廻った。しかし、徐々に通学生徒は増えたが、採算ラインには遠く及ばない。

その1年後、タウン誌や電話帳による広告集客にトライした。当時、福岡ではガリヤやアヴァンティという無料配布誌が増え、大手のリクルート社もサンロクマル等のタウン誌を出し始めた。

どれも読者はオフィスの女性が中心で、英会話のターゲットと合う。発行部数も10万部以上で、自分でチラシを撒くより効率もいい。

当初は広告の出し方もわからず、打率が低かったが、3年前からある広告コンサルタントに文章・コピーを依頼。これが当たり、業績は毎年倍々ゲームになった。それまで年商2000~3000万円が、翌年には5000万円。次の年には8000万円を超え、わずか3年で年商は3倍になった。現在は1億円に迫る勢いだ。

借金もほぼ完済。今迄は見向きもしなかった銀行が、借り入れの依頼をしてくるようにもなった。

 

■念ずれば花開く。

 

「経営者として、15年間は最低でした。給与はゼロ~30万円を行ったり来たり。カードローンだけでなく、親や妹からも借金しました。

でも、落ち込んだことはなかったですね。コツコツやれば、いつか花は開くと信じていました。これは牧場での修行体験が大きいです。

私が弟子入りしたアメリカの開拓牧場主は、先祖代々何十年もかけて牧場を作っていた。良いミルク・牛を育てるには、良い土を作らねばならない。土壌の改良や牧草づくり、そして牛の改良にも何年もかかる。

平均30年かかってやっと、良い牛が出来るんだと。諦めずにコツコツとやることが大事なんだと、身をもって教えられました。

英会話学校づくりも全く同じ。授業内容も講師も生徒も、時間をかければ徐々に育つ。夢は必ず実現する。毎年、毎年、そう信じてきました。

黒字転換まで15年かかりましたが、これからが収穫期。今のFCCの内容は、どこもマネできません。これだけ手が掛かる内容と仕組み、講師の育成体制は一朝一夕には出来ない。かつ、効率が悪いから、大手もマネできない。小さくても内容で地元NO1を維持し続けます」。

 

■他校がマネできないFCCの授業

 

現在では、英会話学習はスクール通学が主流。大手の英会話チェーンは派手なTVCMを大量に流し、全国の主要都市に豪華な教室を次々に開設している。宣伝力では、大手にはかなわない。それなのに、なぜFCCは生徒が増えているのか。

実は、FCCは授業内容が大手と全く異なっている。通常は、外国人講師との会話授業が大半だが、FCCでは会話以外に文法・リスニング・スピーキング・ディスカッション・TOEIC等の強化クラスを常設。初心者が短期間で英会話を修得できるよう、多彩なプログラムを組んでいる。

また、入校時から定期的にTOEIC(英語の世界共通テスト)模試を校内で実施。授業の成果を曖昧にするのではなく、数字で結果を示すようにしている。さらに、規定期間にTOEICの点数が200点アップしなければ、無料で追加レッスンを行う「TOEIC点数保証コース」も常設。

生徒には宿題と英語日記も義務づけ、講師は毎週数百人の日記を添削する。

ここまでやる英会話学校は少なく、結果としてFCCは口コミや紹介での入学が多い。他の学校からFCCに転校した生徒も約6割を占める。

「講師の選定も大変です。ウチは他校よりも授業内容が多彩で、その分講師の負担も増えます。だから、楽をしたい講師は嫌がる。でも、やるからにはどこにもない学校を創りたい。

そういう熱意を、講師にも切々と訴えた結果、良い講師陣が揃いました。最近は優秀な事務スタッフも加わり、運営もかなり楽になりました。

様々な人のお陰ですが、特に感謝したいのは、創業時からのスタッフである荒巻。彼女は元々小学校の教師で、正義感が非常に強い。

目先の売上ではなく、授業内容と講師のレベルアップを常に私に訴えてきました。彼女の支えがなければ、今のFCCはありません」。

地元に数ある英会話学校の中で、中途解約=返金を広告表示しているのはFCCのみ。クレームや不満が多い英会話業界では、よほど内容に自信がないとできないことだ。

当分、地元NO1の評価は揺らぎそうにない

RETURN TOP

著書

おすすめカテゴリー記事