成功する営業戦略

この記事は20分で読めます

小さな会社の事例はコチラ

 

第5章

成功するお客探し ~弱者の営業戦略~

 

 

◎様々な営業方法

 

一口に営業といっても、業界や商品によって全然違います。学校を卒業して1社しか経験がない場合は意外に気づきませんが、異業種に転職をしてみるとわかりますね。

わたしは最初に建材メーカーで営業をしました。お客は工務店や左官屋さんで、スタイルは決まった法人客に定期的に顔を出す「ルートセールス」でした。

2社目は住宅会社。一般家庭に一戸建てを売る「スポット型」飛び込み新規開拓セールスを短期間ですが経験しました。

3社目は企業調査会社で、法人向けに企業事典や調査チケットを売る営業でしたが、これは「スポット型+ルートセールス」でした。

建材メーカーと企業調査会社は、自分に合っていましたね。とくに企業調査会社では営業実績で社内日本一になりました。

ところが、家庭向け新規開拓営業は散々でした。まったくダメ。

わたしは、法人向け営業のほうが向いていたんです。

一般に営業を大きくわけると、会社や商店を相手にする「法人営業」と、一般個人を相手にする「個人営業」にわかれます。さらにそれぞれは「新規開拓」と「継続取引=ルートセールスに別れ、かつ、こちらから相手に出向いていく「訪問営業」とお客の方からきてもらう「店頭販売」、広告やインターネット等による「通信販売」等に分類されます。

 

ポイント! 営業方法は、

  • 法人向けOR個人向け
  • 新規開拓ORルート
  • 訪問型OR店頭OR通販

と分類できる。

あなたには、どのスタイルが合っているだろうか?

 

◎営業スタイル分類例

 

それでは、それぞれの営業スタイルと営業ルートの具体例をみていくことにしましょう。

 

<法人向け営業>

①商社・問屋に卸し→小売店→個人・会社/加工食品・雑貨・一般消費財メーカー

②小売店に販売し→個人消費者/家電・食品・アパレル等の一般消費財メーカー

③会社・商店に訪問販売/事務機・印刷・広告・人材派遣・ダスキン・保険

④会社・商店に通信販売/アスクル・ミスミ(金型)・コンピュータ・ソフト他

 

<個人向け営業>

⑤一般家庭・個人へ新規訪問販売/車・住宅・リフォーム・保険・教育図書

⑥一般家庭・個人へ新規+継続販売/新聞・牛乳・ダスキン・配置薬・宅配すし

 

<店頭販売(主に個人対象)>

⑦飲食店/和洋中各種外食チェーン・ホカ弁・単独の飲食店・露店・車での移動販売

⑧小売・サービス店/スーパー・コンビニ・各種専門店・クリーニング・DPE・他

 

<通信販売>

⑨新聞・TV・ラジオ・雑誌等のマス広告

⑩チラシ・タウン誌・DM等の紙媒体

⑪FAX・電話・インターネット等の電子媒体

 

<展示場・イベント・セミナー販売>

⑫車・住宅・着物・塾・研修コンサル会社

 

<組織販売(ネットワークビジネス)>

⑬化粧品・健康食品・鍋・下着・その他

 

以上のように分類していくことができます。

さらに営業ルートは1つだけと限定せずに、複数を組み合わせることによって、販売機会を増やすことができます。

たとえば、住宅会社や自動車ディーラーが⑨や⑩のチラシを打って⑤の訪問販売したり、コンサルティング会社が⑩のDMでセミナーに集客し、その後訪問販売するなど、アイデア次第で競争相手との差別化も可能なのです。

 

ポイント! 自分に最適な営業スタイルを考え、新しい営業スタイルの組み合わせを創造しよう。

 

◎メーカーは、できるだけエンドユーザーに近づこう

 

メーカーの営業ルートについてみてみましょう。

メーカーが、一気に売り上げを伸ばすには、全国に支店や営業所網を持っている商社や大きな問屋と取り引きをすることだといわれます。商社や大きな問屋は全国、またはブロック県内全域の販売店ルートを持っているため、小さな会社でも商品を広い地域に流せると考えます。

しかし、大きな商社や問屋には、すでに古くから取り引きしているメーカーが何社もあり、つねに新規のメーカーも売り込みにきています。

ここに独立したばかりの小さな会社が売り込みにいっても、よほど差別化した商品でない限りは口座は開けません。

万が一、商社と取り引きができるようになっても、販売店には他のメーカーの商品を扱う商社が何社も売り込みにきていますから、ここでも競争が発生します。さらに、販売店・小売店が扱ってくれても、今度は店頭でいかに他社の商品よりもアピールするかという、店頭段階での競争が発生します。

結局、商社・問屋→販売店・小売店→エンドユーザーという営業ルートでは、3つの段階で間接的な競争が発生し、小さな会社は営業にそうとう苦労することになります。

実際問題、「商品の良さが伝われば売れる」と思っているのは自分だけで、商社の営業マンも販売店の店員も、数ある似たような商品の特徴をすべて把握するのは不可能です。

きれいなカタログやパンフレットを作っても、そんなものは毎日、同業各社から送られていますから、商社や問屋、販売店の現場を動かすのは至難のワザです。

しかも、いくつもの販売段階を経るために代金回収も遅くなり、流通段階での滞留在庫も増えるため、そうとうな資金力も必要です。

 

ポイント! メーカーに限らず、間接販売は難しい。できるだけ、エンドユーザーに近づこう。

 

◎小売店へ直接販売する場合

 

商社や問屋をとばし、小売店へ直接卸し販売する方法もあります。

その場合、商社・問屋経由よりは販売店・小売店へ商品の説明やプッシュがしやすく、販売店や小売店が扱ってくれる比率は高くなります。

しかし、これも、同業他社に比べて商品力がなければ、後発の類似品は叩かれてバーゲン品扱いされかねません。かつ、新規独立者や中小企業の場合、自らまわれる販売店・小売店の範囲は限られるため、「エリア戦略」の章で説明したとおり、営業エリアを絞る必要があります。

近年は、全国チェーンのスーパーはもとより、専門店やコンビニエンスストア等のチェーン店化が急速に増えています。こういった小売りのチェーン店は本部の決済を得なければならず、新参者の中小企業が新たな口座を開くのは大変難しくなっています。

ですから、狙い目は地方の小さなチェーン本部や、自分の商品に合う単独小売店をこまめにまわることです。こういう小売店には大手が比較的売り込みにきていませんから、オーナーに熱心に売り込めば、扱ってくれる割合が高くなります。

 

ポイント! 小売店直売の狙い目は地方の小さなチェーン本部や単独小売店。大きなチェーン本部は難しい。

 

営業戦略成功例①――贈答品商社の場合 削除変更

急成長している贈答品商社「美紀屋」の、メインとなっている事業は仏事の香典返し用商品の販売です。葬儀社を定期的にルートセールスし、葬儀が発生したときに受注し商品の発送をしています。

しかし、香典返しの商品はハンカチや加工食品など、商品自体の差別化はなかなか難しいもの。葬儀社には数多くの同業他社が出入りし、競争は熾烈です。

美紀屋は熾烈な競争を勝ち抜くために、年中無休24時間体制や2時間以内の配送体制、商品とお礼状の一括印刷を行ってきていますが、この2年間、一段と急成長をとげています。それまでの年商17億円が、わずか2年で30億円にまで伸びたのです。

美紀屋は、販路の新たな開拓戦略によって急成長をとげました。

新たな販路とは、単に支店を出すのではなく、葬儀場や百貨店外商部。しかも、そこのなかに社員を常駐させることにしたのです。

美紀屋の社員は出先の葬儀社や葬儀場、百貨店外商部の名刺を持ち、エンドユーザーの仏事に関する問い合わせや相談ごとに24時間体制で対応しています。とくに百貨店には仏事のスペシャリストがいませんから、百貨店、お客からも大変喜ばれているそうです。当然、常駐先の香典返しはほぼ100%美紀屋が受注しています。

 

◎独自の販売代理店・FC組織をつくる

 

既存の販売ルートに食い込むのが難しい場合、自社の販売代理店やFCを募る方法もあります。いまの世の中は、あらゆる業界でいままでの主力商品が陳腐化し、新たな商材やビジネスを探している会社が多数あります。また、脱サラを考える場合でも自分に特別な商品や技術がなく、FC加盟を考える人も増えています。

自社で固定費のかかる営業マンを抱えるのに比べ、こういう販売代理店やFCは完全歩合で動いてくれますから、うまくやれば一気に自社の営業ルートを広げることも可能です。

ただ、このルートを成功させるためには商品やサービスに独自性が必要です。かつ、代理店がスムーズに売れるような販売マニュアルや、定期的にフォローする人材・仕組み作りも不可欠です。そのためには、自社で直販を数年は行い、ノウハウや体制を整えるのが先になります。

 

ポイント! 既存ルートが難しければ、独自に販売代理店やFCを組織化してもいい。とにかく、エンドユーザーに近づこう。

 

営業戦略成功例③――宅配寿司チェーンの場合 削除変更

九州一の宅配寿司チェーン「ふく鮨本舗の三太郎」は、現在約50店を全国展開しています。同業他社が創業2~3年でFC展開を始めたのに対し、三太郎は創業7年で30店舗になるまで直営体制を維持してきました。

100巻のビデオ教育マニュアルと冊子を自社開発し、学生バイトでも1週間で寿司が握れるような体制を作り上げています。同時に、各店を指導するスーパーバイザーの育成にも注力。体制が整った2001年よりFC展開を始めました。

一方、同じころに創業した「味よし」は直営を数店やっただけで、一気にFCを200店まで急拡大。一時は業界最大手になりましたが、本部とFC間で様々な問題が噴出し、2002年の春に倒産しています。

FCはうまく運用すれば、本部にも加盟店側にも素晴らしい共存共益システムですが、失敗のリスクも小さくはありません。

FCを自分で組織化するときは必ず直営で実績を積み、逆に加盟を考える人は、本部だけでなく、必ず加盟店を独自に訪ねて実態を知ることが大切です。

 

◎エンドユーザーへ直販する

 

問屋や小売店も飛ばし、エンドユーザーへ直接販売する方法を例をあげて考えてみましょう。

たとえば、化粧品業界でいえば、資生堂やカネボウなどのメーカーは販売会社を通じて全国の小売店へ卸しています。後発であるポーラやノエビアなどは販売員を介してエンドユーザーへ直販しています。

下着でも、ワコール等の大手メーカーは小売店での販売ですが、シャルレや、矯正下着のメーカーなどはみな、通信販売、販売員を介した販売、または独自のメーカー直営店舗での販売など、消費者へ直販しています。

文具・事務機業界では、コクヨやオカムラなどは卸・小売店販売なのに対し、後発のプラスは、通信販売の子会社であるアスクルを通じてエンドユーザーへ直販し、競争を生き抜いています。

食材関係でいえば、むかしからある大手スーパーの店頭販売に対して、後発のタイヘイやヨシケイなどは家庭へ直接宅配していますね。

問屋や小売店は思った以上にメーカーや親会社との系列化が進んでいて、新しい商品を仕入れる権限がない場合があります。しかし、エンドユーザーはどこから買おうが自由です。

このように、既存の卸~小売店ルートを大手や先発同業他社におさえられている場合は、エンドユーザー直販が有利です。というより、卸や小売店に販売を依存していると、切られた場合は大変です。かつ、そういう間接販売はエンドユーザーと話す機会も少ないですから、商品やサービスの改善もおろそかになります。これは下請けの場合も同じです。

以上、主にメーカーの例を中心に様々な営業ルートを紹介しましたが、サービス業や販売代理店で独立する場合、よほど商品力がない限りは、エンドユーザーに直販するのが一番有利であることは間違いありません。

ランチェスター法則のとおり、問屋や小売店を間に通す間接戦は、強い競争相手との力関係が二乗比になります。

ですから弱者はエンドユーザーにできる限り近づいて、接近戦、一騎打ち戦を目指しましょう。

 

ポイント! なにはともあれエンドユーザーにできるだけ近づき、接近戦を目指そう。

 

◎新規開拓ではノイローゼになる人が続出

 

経験者はわかるでしょうが、エンドユーザー直販の新規開拓は非常に難しいものです。

法人営業だと会社やビルに飛び込み、個人営業では一般家庭に飛び込むことになりますが、普通はバンバン断られますね。一日百件飛び込みたとしても、まともに話が出きるのは一件くらいでしょう。

「こんにちは。OO産業と申します。コピー機はいかがでしょうか?」とカタログと名刺を差し出しても、

「うるさい!」「帰れ!」「間に合ってる!」「忙しい!」などなど……。

毎年、春になると、新入社員が研修の意味もかねてこの飛び込み営業をやらされますね。これらの厳しい断り文句を立て続けに受けると、ノイローゼになる人もしばしば出ます。

「俺は嫌われた」「どうも営業には向いていない」「人格が傷ついた」と多くの人が嘆き、なかには「戸籍にまで傷が付いた」という人もいます。

とくに、学歴がいい人ほどプライドが高いため、ダメですね。

「俺は国立大学まで出ているのに、なんでこんなにバカにされるんだ。やってられん」なんてね。

ですが、経営の基本は稼いでなんぼ、売ってなんぼですから、営業、とくに新規開拓ができないと、会社自体が成り立ちません。サラリーマンの場合、文系の場合は大半が営業に配属されますね。

世の中、実力主義の時代になってきましたから、無学歴や三流大学出身の人にとってはチャンスです。わたしも含め、そういう人達はもともとプライドもないから、意外に断られても平気。新規開拓系でトップクラスの人は、みな、学歴がないですね。

しかし、そうはいっても新規開拓は難しいものです。

会社の幹部も、「いまどきの若者は忍耐力がない」とか、「売れないのは根性が足りないからだ」と、地獄のスパルタ特訓などに毎年、多くの社員を送り込んだりしますね。

でも、いきなり飛び込んで「OOを買ってください」という営業では、だれがやっても100%断られます。屈強な、体育会系の人でもそうですよ。ベテランでもそう。断られるのには、ちゃんとした理由があるのです。

 

ポイント! 法人相手でも個人相手でも新規客開拓営業は難しい。だが、経営は売ってなんぼ、稼いでなんぼなので、逃げることはできないのだ。

 

◎なぜ、新規開拓は断られるのか

 

知らない会社や一般家庭に営業で飛び込んだとします。すると、初対面の人はみんな顔が引きつり、非常に警戒心を持ちます。

営業でなくとも、初めての人と会ったり話したりするのは、みな、緊張します。それはなぜか。

以前、北京原人の化石が発見されたとき、学者が骨を分析していてある仮説が発表されましたね。つまり、むかしはどうも、人が人を殺して食っていた可能性があると。化石を顕微鏡で詳しく調べたら、骨を削り取って食べていたような痕跡があったそうなんです。

文明が発達しても、わずか60年ほど前の第二次世界大戦では、世界中で4500万人もの人が殺されましたからね。いまも世界のアチコチで他の部族を襲ったり、日本でも最近は通り魔とか、凶悪犯罪があとをたちませんね。

こういう理由で、元々人間の遺伝子には、見知らぬ人に対する恐怖感があるんです。

だから、知らないが目の前に迫ると、だれでも警戒心が働くんです。なかでも防衛力が一番弱いのが子供。1歳くらいで人見知りするでしょ。

人見知りというのは、遺伝子が伝わって防衛しているんです。

飛行機や新幹線に乗って、近くの子供が自分と顔を合わしてギャーと泣いたら、その人は家庭向けの営業に向かない人ですね。

子供の次に警戒心が強いのが女性。男性に比べると体力が弱いですから、自己防衛本能が発達しています。だから、女性にモテない人や人気がない人は、家庭向けや女性関係の営業や販売はあきらめた方が身のためです。

 

ポイント! 人は、見知らぬ人に対して警戒心を働かせるもの。だから、初対面で断られるのはあたりまえといえばあたりまえ。

 

◎お客は、あなたを傷つけるつもりはない

 

子どもや女性の防衛本能が強いのは前述のとおりなのですが、もちろん男性でも初対面の人を前にすると、警戒心でアドレナリンが出て血圧が上がります。血圧が上がるとストレスとなり、不快感を感じます。

一方、売り込みにいったあなたの顔はどうでしょうか? おそらく、あなたも見知らぬ会社や家に飛び込み、知らない人に会うと無意識のうちに緊張して警戒心を抱きます。そうなると顔からは笑顔も消え、相手をにらみつけるような目つきになっているはずです。

また、金額によりますが、ものを買うときには緊張します。

たとえば書店にいって1500円くらいの本だったら3冊、4冊と買うけれど、5000円以上になると、買うか買うまいかと3回くらいいったりきたり。どうしようかなとプレッシャーがかかりませんか。商品を買う警戒心。これは本能なんですね。見ず知らずの人に会って、いきなりカタログ出されて買えといわれたら、100%断りますね。だれでもそうなのです。

以上の理由で、通常の新規開拓は100%断られますが、それは相手があなたの人格を傷つけようとか、虐めてやろうとか思っているのではないのです。動物的な警戒心やお金を失いたくないという本能のほか、ほんとうにニーズがない、たまたま忙しいなどの理由で断っているだけなのです。

 

ポイント! 初対面で断られるのはあたりまえ。だけど、それはあなたが悪いわけではない。

 

◎断られにくい「再度訪問式」の営業

 

人は他人から「おまえはバカだ」といわれると頭にきますが、自分で「俺ってバカだよなあ」といってもなんともないですね。これと同じく、訪問営業のときも相手から断られる前に、自分から先に断ってしまえば、つらくもなんともありません。

具体的には「今日は営業ではありません。社長さんに挨拶だけさせてください。すぐに帰ります」といって、受付の女性に頼みます。こういうと、普通は追い返そうと思っていますから相手も拍子抜けし、意外に取り次いでくれます。

もし、社長が出てきたときも「お忙しいところをすみません。OOと申しますが、今日は営業はいっさいしません。挨拶だけですぐに帰ります」と自分で自分の営業を断ってしまえばいいです。すると、相手は警戒心を解除して安心します。

そして売り込みはいっさいせず、相手の情報収集のみに徹しましょう。事業内容、主力商品、販売先などなど。時間がありそうなら、その社長の独立物語を聞くのもいいですね。人は売り込まれるのはイヤですけど、自分のことや商品のことを聞かれるのはうれしいものなのです。

こうして5分~10分もすると相手の情報がつかめますから、自分から席を立ちます。そして、帰る間際に自分が売っている商品のことをボソッと聞くんです。

「OOはどこで買ってますか?」と。

すると、相手はこちらが帰るということでホッとしてますから、意外に「ああ、それならA社で買ってるよ」とか「最近は買ってないね」とか、本音をいってくれるのです。これを刑事コロンボ型のヒヤリングといいます。

このあと、収集した情報に基づいて見込みがありそうなら再度訪問し、なければ切ってしまえばいいのです。

見込みがありそうなお客にしても、2回目の面会では相手も警戒心が薄れてますから、よりつっこんだ話ができ、場合によってはこちらの商品の説明をしてもいいでしょう。

勘のいい人ならだれでもやっているでしょうが、新規開拓営業が初めての人や、ルートセールスしか経験のない人の場合は、この最初の訪問では売り心をいっさい出さずに相手の情報収集に徹するということに気づいてないのです。

わたしがこの「再度訪問式営業」を知ったのは、アメリカの生命保険で有数の営業成績を上げた、フランクベドガーの本を読んだときでした。これで飛び込み営業が恐くなくなり、企業調査会社時代、飛び込み営業するなんてバカだと同僚や先輩から笑われましたが、このやり方で日本一になりましたね。

 

ポイント! 最初の面会時には売りたい気持ちをぐっとおさえて、情報収集に徹しよう。そこで見込みがなさそうなら、二度と訪問しなくていい。見込みがありそうなら、再度訪問してみよう。

 

◎営業は質より量=面会件数が決め手

 

もちろん、わたしが実際にやったのは「再度訪問式」だけではありません。企業調査会社に入社して3年で九州一になったのですが、その次には日本一、そして他人の10倍を売り上げる方法はないかと、目標を大きく掲げました。

その頃にランチェスター法則の話を初めて聞き、攻撃力=量の二乗×質でピンときました。これはつまり、営業力=面会件数の二乗×質。これを微分すると、営業力は面会件数が7で質は3割だということがわかったのです。

事実、当時の各業界のナンバーセールスマンに実際に会い、営業方法をヒヤリングしてみたところ、例外なく「面会件数」が圧倒的に多かったのです。

よく、営業力はコンサルティング力だとか、質を磨かなければいけないといわれますが、それは「面会件数」=量が先にあっての話なのです。量があがると、その後に質も上がるのです。

これはスポーツの世界を見れば明らかです。長島も王も松井もイチローも、変更削除マラソンの高橋尚子もスケートの清水選手も、すべて例外なく、人並み以上に量=練習をこなしています。

そこで、わたしは面会件数を上げるにはどうすればいいかと考え、エリア戦略で限定したエリア内に訪問先を絞り、自転車を買ってこまめに訪問し、訪問件数を3倍に上げたのです。言い方を変えれば、お客に対する接触頻度をライバルの3倍から5倍に増やして、日本一になったのです。

 

ポイント! まずは量。とにかくお客に接する頻度を上げるための工夫をこらそう。

 

◎訪問型以外の「金をかけずに見込み客を集める」方法

 

以上は訪問式営業の場合の新規開拓の基本でしたが、一般に見込み客を探す方法としては、次のようなものがあります。

 

①友人・知人のなかから

②異業種交流会・セミナー・経営者団体への参加

③チラシ・会社案内を持って挨拶・ポスティング

④インターネット

⑤マスコミ取材・記事に売り込む

⑥FAX・DM

⑦郵送DM

⑧タウン誌・新聞への広告

⑨TV・全国雑誌・ラジオへの広告

⑩イベント・セミナーの開催

⑪展示会への出展

 

では、それぞれの方法の注意点を具体例をあげてみていくことにしましょう。

 

◎人脈を活かす

 

前の項でも説明したとおり、人は初めて会った他人には警戒心を持ちますが、すでに面識がある知人や友人に会うのは抵抗がありません。業種や商品によっては対象外もあるでしょうが、独立当初で既存客がいない場合、まずは友人知人に挨拶することで、お客を増やしていくことはできます。

ただし、いくら知り合いとはいっても、いきなり営業するのは禁物です。マルチ商法にありがちな押し売り営業をすると、せっかくの関係が壊れてしまいます。

ですから、友人知人には直接売り込むのではなく、「今度、OOで独立しました。お知り合いの方でOOに興味ある方がおられたら、ぜひ、よろしくお願いします!」という挨拶状を出し、さりげないPRをしておくのです。

自分が消費者・発注者として考えてみてください。普段の消費活動をする場合、その8割はいままでいったことのあるお店、知っているお店のはずです。

また、すでに独立している場合でモノやサービスを購入する場合も、発注するのはいままでの取引先がほとんどのはずです。

つまり、自分が新規開拓で営業するのも大変ですが、じつはお客も新しい店や購入先、仕入先を開拓するのは、意外に勇気がいるものです。

商品の価格や品質にそう差がなければ、人は以前からの取引先、または以前から知っている人から買う確率は高いのです。

わたしが独立した初年度は約2000万円、2年目は約3000万円、3年目は約5000万円の講演・研修・コンサルタント収入がありましたが、このほとんどは前職時代に名刺交換した人たちと、その紹介者からのものです。ただし、独立当初の挨拶状だけでなく、「独立3カ月目、6カ月目、9カ月目の定期メール」で相手に忘れられない行動はしましたが。

異業種交流会や中小企業家同友会等への参加も、時間があればやるべきです。こういう場では勉強会や懇親会を通じて、自然と新規の人脈ができます。いきなりの営業活動は嫌われますが、何度か会ってお互いの人となりが理解されると、「どうせ買うなら、あなたから買うか」ということがよくあります。

友人知人とその紹介は、典型的なランチェスターの接近戦です。しがらみや業種柄問題がある場合は別ですが、そうでなければ積極的にコンタクトすべきです。

 

ポイント! 友人・知人から「どうせ買うならあなたから」と言ってもらえるように努力しよう。ただし、いきなりの売り込みは人間関係を壊す恐れがあるので要注意。

 

◎チラシを近隣にポスティングする

 

店舗を独立して始める場合、ベストは繁華街や人通りの多い立地ですが、普通は資金的にも一等地での立地は非常に難しいものでしょう。

その場合、お店の存在を知ってもらうための、地域への告知活動は欠かせません。派手な広告を打つ予算がなかったとしても、黙っていてもお客はきてはくれません。そこで、もっとも手っ取り早い方法は、地域限定のチラシをまくことです。

その場合、できれば新聞折り込みではなく、ポスティングをおすすめします。新聞折り込みは曜日によってはチラシがどっさり重なり、目立ちません。また、地域によっては新聞をとっている世帯は50%もなく、地域内での告知率は十分ではありません。

自分で作って自分で一軒一軒ポスティングをするのが一番いい方法です。地味な作業ではありますが、コストもかからず、やれば確実に効果があるのです。

 

ポイント! コストも小さくてすむ手作りチラシのポスティングが、あなたにとってじつは、一番有効な宣伝活動なのだ。

 

営業戦略成功例⑤――ポスティング成功例

変更住宅リフォームの「パワーハウス」では、新聞折り込みをポスティングに変更したところ、広告反響件数は約2倍にアップしました。現在は自社のパート・ポスティング部隊を組織して、毎週手配りをしています。

福岡の宝石・ブランド品のリサイクルショップ「スターポート」は、2000年に独立した約10坪の小さな店ですが、代表の大井さんは自らワープロ打ちしたチラシを毎月近隣の5000世帯にポスティング。リサイクル業は最初に買い取りで物を揃えるのに時間がかかるため、通常、黒字転換に1年はかかるといわれていますが、見事、開業3カ月目には黒字転換しました。

自己破産申請代行で福岡トップクラスの「音丸行政書士事務所」の音丸代表は、脱サラ前はカステラメーカーの営業マンでした。もちろん、行政書士としてのお客はゼロからのスタート。そこで毎週日曜日の夜は「自己破産の手続きします!」というワープロチラシのポスティングをすることにしました。脱サラ当初数年は、年商200~300万円がザラといわれる行政書士で、2年目には年商1000万円を突破しました。

 

営業戦略成功例⑥――飲食店の場合

チラシ作戦で大成功しているのは、博多駅近くの無国籍料理の居酒屋「地球屋」。ここは植松社長がテレビ番組「愛の貧乏大作戦」の師匠になるほどの超繁盛店ですが、初心忘るべからずと、いまも毎月手作りのチラシを近隣約1000社の会社に手渡ししています。

ポスティングではなく「手渡しで挨拶」というところがポイントです。

訪問した会社の受付に行き「毎度地球屋です! よろしく!」と一言、声をかけて配っているのです。毎週、火曜と木曜日に約100件ずつ×4週間で約1000件。外まわりの営業会社も脱帽の、お客への接近戦です。

この「手渡し挨拶」の実行を勧めたのは、ランチェスター勉強会で一緒だった繁盛店・慶州鍋で有名な「いずみ田」の泉田代表。泉田代表は脱サラ前よりランチェスターを勉強しており、現在は福岡市内に4店舗を経営しています。創業10年になりますが、いままで一度も前年割れしていません。

同じく、和洋菓子では九州有数の「石村萬盛堂」。ここは郊外型店舗を約50店出店し、年商も約70億円と業界では地場大手で、この12年間増収増益を続けています。ここも、本来ならなにもしなくても店にお客はくるはずですが、やはり、毎月、社員とパートが手分けして、店周の約3000世帯を「ドアコール」をしています。ポスティングではなく、「ピンポン鳴らしての挨拶」です。

 

◎嘆く前に、まずはヤルこと  大木戸の例?

 

商店や飲食店の人からも「売り上げが上がらない」という相談を受けることがあります。ですが、よくよく聞いてみると、店を構えて商品は並べているが、いわゆる営業活動はなにもやってないお店が多いのです。単に店を開けて待っているだけです。

「景気が悪い」「この地域は立地が良くない」と嘆く前に、月に一度でもチラシを配ってみてはいかがでしょう?

いくら店内が立派でも、知ってもらわねば客はきません。それも、できれば折り込みよりもポスティング、ポスティングよりも直接手渡し。この順番で接近戦・一騎打ち戦の度合いが高まりますから、効果は上がっていきます。

とくに、成功例であげた「地球屋」「いずみ田」「石村萬盛堂」がやっている「手渡し訪問挨拶」は強烈です。通常の訪問営業とは違い、飲食店や小売店が「よろしくお願いします!」と挨拶にくると、嫌われるどころか感心されます。

チラシを渡して挨拶して3秒でサッと帰ればいいんです。これなら、アルバイトや事務員でもできますね。

チラシの内容も大事ですが、そこで悩んでなにもやらないより、下手な内容でも良いから配ること。わたしの経験上、99%の店は悩むだけでなにもやってませんから、下手でもいいからチラシを作って配るだけでもの凄い差別化になるのです。

お金のかかるカラー印刷ではなく、モノクロ一色の手書きかワープロで、安い印刷かリソグラフ程度でもちろん、いいのです。チラシはきれいにカラー印刷されているものが多いですから、逆に一色の下手なチラシは目立ちます。

郊外店等を除くと、飲食店・小売店にくるお客の9割は、店周辺から徒歩10分圏内に住まいか勤務地がある人たちです。お客にとっても、遠くの有名店よりも近くの普通のお店。

日本経済の先行きを気にするヒマがあれば、まずは自分のお店や会社がある地域をまわってみましょう。

 

ポイント! ヘタでもなんでも、やればいい。それだけでも十分な差別化になる。

 

◎ホームページは常識

 

 日本でのインターネット接続者が5000万人になったといわれる現在、ホームページの開設は、電話帳と同じレベルで常識化してきました。

インターネットは常時接続でも月々3000円程度の固定費用ですみ、自分でホームページを作れば制作費用もゼロ。いまはワープロ感覚でホームページが作れるソフトが1万円くらいからありますから、ヘタでもいいからホームページは開設すべきです。

 業種によってはホームページからの売り上げは期待できないかも知れませんが、告知・宣伝という意味では、どんな業種でも絶対に持ったほうがいいでしょう。自分で作れず、かといってプロに作ってもらうコストをかけたくない場合は、たとえば学生さんのバイトに頼むなり、知人に頼むなりしてでも、作ってもらったほうがいいですね。

 デザインは2の次です。単なる文章の羅列でも良いですから、自分の会社、商品、自己紹介、経歴、趣味、日記、お客様の声など、会社と自分に関することをできるだけたくさん書き込んでください。ホームページは他の広告とは違い、かなりのスペース・情報量を書き込んでも、まず、追加料金はかかりません(自分で制作する場合)。

  問題はすでに億単位もの数があるホームページのなかから、どうやって自分のホームページを探してもらうかです。まずは自社の名刺、封筒、会社パンフレット、広告等にアドレスを記入することです。名刺や会社パンフレットに書ききれない情報を見てもらうようにします。

 自社の印刷物に記入した次は各種検索エンジンに登録することです。検索で上位にランキングされるコツやノウハウは、結構、無料でインターネット上に氾濫しています。失敗したとしてもたいした損害にはなりませんから、いろいろな方法を試してみるのも悪いことではありません。地道に探して実践するか、時間がなくて面倒くさい場合は、インターネットの専門家やコンサルタントに頼みましょう。

 インターネット上で見込み客となるのは、メールアドレスです。できるだけたくさんのメールアドレスを集める手段としては、懸賞サイトに出品したり、無料プレゼント、資料送付、メールマガジンの発行など、様々な手段があります。また、電子メールによるDMは、自社で集めたリストがあればタダ同然で送れます。

 ホームページで見込み客を集める、売り上げを伸ばすコツの一つは、いかにして興味を持った人に何度も見にきてもらい、メールアドレスを残してもらうか。そして、そのリストに定期的なDM、もしくはメールマガジンなどを送って、注文や来店を促すかにかかってきます。

 また、インターネットの利点は、お客が自分の素性を明かさなくても、気軽に質問や相談のメールができることです。これは次の章の「顧客戦略」の分野ですが、メールとはいえ実際に顧客(候補)と接するわけですから、この質問や相談にいかに答えるかが他社との大きな差別化になります。

 比較的、大企業の場合は、この返答がどうしても事務的・機械的になります。ここが小さな会社にはチャンス。極力、スピーディに、かつ、実際に目の前でお客と対話・雑談するような言葉でメールをすると、お客の満足度も高いものになります。

 明太子の老舗「ふくや」が業界で初めてインターネットで年商1億円を越え、福岡のローカル美容外科だった「聖心美容外科」が数年で業界トップクラスになったのも、決め手は丁寧なメール対応。同業他社が自動返信メールシステムに解答させているのに対し、この両者は責任者・院長が個別にメールを書いて対応しています。

 つまり、インターネットもみなが使いこなすようになると、最終的にはアナログ的な勝負になるのです。

 

ポイント! お客集めのツールの一つとしてインターネットは不可欠な時代。うまく使ってお客を集めよう。最終的にはアナログ勝負になるのだから、小回りのきく小さな会社は絶好のチャンス。

 

◎マスコミに報道される方法

 

一般の人は意外に知らないですが、じつは日経新聞などの企業記事は、その大半が企業側からの「売り込み」によるものです。

大企業には広報部という部署があり、常に会社や商品に関する情報をまとめた「ニュースリリース」を、定期的にマスコミ各社に送っています。記者はそのなかから記事になりそうなネタを選び、追加取材、またはそのまま勝手にまとめて記事にしているのです。

他の新聞や雑誌、テレビやラジオ番組なども、程度の差こそあれ、一定の割合で外から提供された情報を元に記事取材や報道をしています。

新聞記事やテレビ報道された場合、その反響はときとしてもの凄いものになります。広告と同じスペースでも、記事は信用性と注目度が格段に高く、効果に数十倍の差が出ます。

小さな会社も、これを利用しない手はありません。別に大企業が作るような、立派なニュース資料を作る必要はありません。マスコミにツテや人脈も不要です。あなたが自社や自分や自社商品に関する出来事を読者の目で見て、これは記事になると思うものがあれば、それをワープロ・手書き文章にして各マスコミにFAXすればいいのです。

FAX番号は新聞や雑誌には必ず載っています。迷わず送るのです。遠慮はいっさい無用。決して、怒られることはありません。マスコミは日々のネタ探しに困っています。地方新聞であれば、別に画期的な発明や業績を上げていなくても、社会面や地元記事ページに取り上げられる可能性は十分あります。

福岡のカラーコンサルタント「クロシス」の中村社長は、「20代の女性で独立した」というだけで、まだなにも実績もないのに地元新聞に取材され、それがきっかけで読売新聞になんと3年間も連載コラムを書くようになりました。

同じく「ホームテック」は、「小さなイベントに地域の施設の児童を無料招待した」というだけで、NHKや毎日新聞に取材、報道されました。

宅配寿司の「ふく鮨本舗の三太郎」は、「寿司の注文者はスカイマーク搭乗券が割り引き」というキャンペーン記事を流したら、「空飛ぶ寿司屋」としてスポーツ新聞の全面に記事が掲載されました。

いずれも、掲載後は電話が鳴りやまなかったそうです。

とにかくFAXを流してみましょう。文章はめちゃくちゃでもいい。

単に「リストラで50代の男が独立」しただけでも、自分のプロフィールや独立の経緯を書いて送れば、いまの時代は立派な事件。「リストラ」「50代」「転職」「失業」「独立」をキーワードにした特集は多いですし、記者にとっても独立したばかり人を捜すのは至難のワザですから。すべてをさらけ出す覚悟があれば、かなりの確率で記事になるでしょう。

ちなみに、インターネットの「リリース・ステーション」というサイトを使えば、全国のマスコミ関係者約6500人に無料でニュースメールが流せます。

新聞やテレビのマスコミ広告はまともに出すとべらぼうに高いものです。弱者は決してマスコミに広告を出すのでなく、いかにマスコミの記事になるか。これが弱者のマスコミ戦略です。

 

ポイント! 遠慮は無用。とにかくマスコミ各社にFAXを送ってみよう。ダメで元々。ダメだったとしてもあなたが困ることはなにもない。

 

◎タウン誌や新聞広告で見込み客を集める方法

 

比較的安い方法で広告を出せるのが、地元で発行されている「無料配布のタウン誌」や新聞の小さな企画広告です。

女性や主婦層をターゲットにした商売なら、この無料タウン誌は狙い目の媒体です。全国的には「リビング新聞」や「ぱど」「ホットペッパー」などが有名ですが、そこそこの町なら地元の無料タウン誌がきっとあるはずです。

新聞や書店売り雑誌よりイメージは落ちますが、一般に無料配布のタウン誌は地元での発行部数が多く、地域限定でのPR媒体としては意外に強い影響力を持っています。

いわば雑多なチラシの集合体で男性や法人対象には向きませんが、消費意欲の高い女性は少しでも得な情報はないかと結構見ているものです。飲食店や美容関連・住宅・趣味やカルチャースクール系など、顧客に女性が多い業種はチャレンジしてみる価値があります。

 

営業戦略成功例⑨――病院の場合

「聖心美容外科」は当初、福岡のタウン誌に集中出稿し、同業大手チェーンの福岡店を抜いて、独立5年で九州ナンバー1になりました。東京の大手ライバルは全国テレビCMと全国発売の書店売り女性雑誌に広告。聖心は地元の女性に近い媒体は地元に根付いたタウン誌だと見抜き、そこに広告を一点集中したのです。

しかも、大手が写真やモデルのイメージ広告中心であるのに対し、聖心は読者の疑問や悩みに応える記事広告にしました。業界ではタブーとされた「美容外科の問題点や限界」を情報として提供し、強引な勧誘をいっさいしないカウンセリングを実施。マスコミよりミニコミの戦略が地域に受け入れられ、現在は口コミと紹介が約5割を越えるほどになっています。

 

営業戦略成功例⑩――語学学校の場合

地元ナンバー1になった英会話学校「FCC 福岡コミュニケーションセンター」も、タウン誌の小枠広告の利用で業績を伸ばしました。やはり、大手チェーン校がタレント起用のイメージ広告なのに対し、FCCは毎回、生徒の詳細なインタビュー記事広告を掲載。広告で伝えきれない情報は「資料請求」してもらう形で見込み客を集客しました。

DMも英会話学校業界の問題点や疑問を説明した「ワープロ打ちした手紙風」にし、お客を説得しています。

最初の広告で売り込まず、資料請求させて見込み客を集める方法は、健康食品や通信教育など、主に通信販売業界ではむかしから使われている手段です。「まずは無料サンプル・資料を」という広告で興味のある見込み客を集め、サンプルと同時に詳しい資料で説得していく方法ですが、この原理は新規開拓の訪問営業で紹介した「再度訪問式」と同じです。

無料のもらい屋さんも多くなりますが、見込み客を集めるには有効な一つの手段でしょう。

◎法人営業の見込み客開拓にはFAXがコスト安

 

ランチェスター経営のメイン事業は、ランチェスター入門編のこの本の内容を詳しく説明した経営戦略CD・DVDの販売ですが、教材の中身は目で見えないでしょ。ましてや、戦略なんてイメージが堅苦しいし、戦術・事例よりもわかりにくい。なかなか広告では売りにくいし、資料を送っても理解されにくい商品です。

そこで、まずは中身を実際に見てもらうために、ビデオを使った「経営戦略勉強会」という小グループの勉強会を、全国各地1コース4回4000円でやってます。この集客にうまくいってるのがFAX・DMです。様々な企業リストをもとに、毎日平均で100件、月に約3000件にA4のFAXを一枚を流していますが、福岡の場合はほぼ毎日、朝、昼、夕方のコースが埋まります。

これはうちのコンサルタントたちがインストラクターをつとめ、その場での教材営業はしていません。でも、入門コースと次のコースあたりまでやると、参加者のほぼ5割が1万円~50万円くらいの商品を買ってくれます。全コースは約200巻あって全部まとめると200万円になるのですが、これも50人に1人くらいはスパッと買ってくれるのです。

そこそこのセミナーや研修だと5万や10万はするし、大手コンサルの顧問契約になるともっと高額になりますね。そして、研修や顧問契約が終わると、勉強したことは翌月には忘れてしまう。その点、教材ならいつでもどこでも何回でも繰り返し勉強できるし、結局は安い買い物だということに、気付く人がいるんですね。

ちょっとウチの宣伝が長くなってしまいましたが、法人向け、とくに従業員が30人以下の中小企業向けの場合、かなりの確率でFAXは社長まで届きます。たまに「こんなもの送るな!」なんて叱れることもありますが、そうなったら謝ってリストから削除すればいい。なにより、FAX一枚10円だから、郵便やハガキよりも安くすみます。

いちいち送るのが面倒だという場合、一斉同報FAXを20円程度でやってくれる会社もありますから、利用すると便利です。

ウチの場合は、勉強会に4000円で参加しませんか? というFAXですが、前項で説明した無料で資料・サンプルを送りますといった、2ステップの内容にすれば反応の数は増えるはずです。

 

ポイント! 中小企業対象の法人営業では、FAX・DMは意外と使える!

 

◎テレビやラジオCMは強者の戦略

 

小さな会社はテレビCMやラジオCMは出すだけ無駄。お金をどぶに捨てるだけです。

1回15秒ぐらいではなにも伝わりませんから、売り上げには繋がらない。エエかっこしいや見栄で出すのはやめましょう。

テレビ局やラジオ局に対する利用方法があるとしたら、ニュースリリースをFAXで送るか、番組で視聴者プレゼントになるような物やサービスの提供を申し出ること。これもまずは趣旨を書いてFAXすればいい。

意外に番組ではプレゼントに困っているから、取り上げてもらえることもあるでしょう。その場合、できればプレゼント応募者のリストをもらえるよう申し出てみること。堅い局はダメな場合が多いですが、意外にローカル局あたりはリストをもらえることもあります。単なる「もらい屋さん」も多いですが、後追いでフォローできる立派な見込み客リストです。

うまくプレゼントに採用されたら、それを自社の広告やチラシに「OOテレビで紹介されました!」と使えます。エリアに関係ない通販的な商品の場合、ローカルのマスコミだけでなく、東京のキー局のテレビや新聞にもニュースリリースやプレゼントは申し出てみましょう。田舎の特産品なんかは話題性があってうまくいくかもしれません。とにかく、タダで使えるものはなんでも使え。ダメでもともと。弱者は軽装備で見栄を張らず、小さなチャレンジを数多くやりましょう。

 

ポイント! テレビやラジオにお金を出してCMをだすのは、強者のやりかた。弱者であるあなたは、ニュースリリースを送るか、プレゼントを申し出るくらいにしましょう。

 

 

営業戦略3大原則

 

原則その① どんな業種でも、とにかくエンドユーザーにできるだけ近づこう

原則その② 訪問式営業の場合は、再度訪問式で営業せよ

原則その③ 広告も再度訪問式&お金をかけない&地域を絞った接近戦で

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

  1. 2014 10.08

    はじめに

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

著書

おすすめカテゴリー記事