乙武も普通の男。たかが不倫。障害者の性欲処理。健常者と同じ。大事やね。

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タブー視されがちな障害者の性…「欲求の満たし方」とは 抜粋元はコチラ

一連の不倫騒動で乙武洋匡氏の「聖人君子」像は崩れ去ったが、こうしたイメージの背景には、障害者が「エロくない」といった誤解や偏見が否定できない。障害者にも性欲はあり、その「満たし方」はいまだ大きな課題として残っている。

《乙武氏の不倫騒動》
3月24日発売の「週刊新潮」(新潮社)が生まれながらに先天性四肢切断の障害を持つ作家でスポーツライターの乙武洋匡氏の不倫を報じた。乙武氏は「新潮」に対し不倫を認め、結婚生活で5人の女性と関係があったなどと暴露。しかし、乙武氏本人だけでなく、妻もHPに謝罪文を掲載したことが物議をかもしている。

乙武氏の不倫…障害者の「聖人君子」イメージ崩れる?

松本人志氏「『このドスケベ』って乙武さんの頭をどつける」

ダウンタウンの松本人志氏は「ワイドナショー」で、不倫の是非とは別の話として、「障害を持つ親御さんとかは(乙武氏の報道を見て)、ちゃんと恋愛もできて、孫も見れるんやと明るく取った人も絶対いると思う」、いまは「『このドスケベ』って(乙武さんの)頭をどつける気がする」と述べた。

松本人志、乙武氏不倫騒動に別視点「『このドスケベ』って頭をどつける気がする」

古市憲寿氏も障害者としての“事情”に言及

社会学者の古市憲寿氏は3月25日、友人でもある乙武氏の不倫について4連続でツイート。「『不倫』については…庇う気はない」としつつ、四肢のない乙武氏ひとりでは自慰行為を行うこともできなかったと障害者ならではの事情に言及している。

「乙武さんは一人で欲望を処理することもできません」

不倫騒動で再認識…障害者にももちろん性欲はある

「“しなけりゃ死んじゃう“ことではないけど、多くの人がやりたいと思っている」(熊篠慶彦氏)

障害者の性に関する相談・具体的な性的支援などを行うNPO法人「ノアール」理事長で自身も脳性麻痺による障害を持つ熊篠慶彦氏は、性について「食事や排泄のように“しなけりゃ死んじゃう“ことではない、でも多くの人がやりたいと思っているであろうこと」と話す。

障害者だってやりたい。~シリーズ「障害者の性を考える」第一回~〔2015年6月1日 Spotlight〕

「接触のない人は障害者を聖人君子扱いする。エロいなんて思わない」(玉垣努教授)

神奈川県立保健福祉大学の玉垣努教授は「障害者と接触のない人は、どうも幻想を作ってしまいがち。障害者を聖人君子扱いしてしまう。エロいなんて思わない。でも障害を持とうが何しようが、皆エッチ」と話す。

日本の医療は障害者を無視している。~シリーズ「障害者の性を考える」第二回~〔2015年6月8日 Spotlight〕

「息子が外でズボンを下ろすように…困った末に施設に」(知的障害を持つ息子の母)

知的障害のある42歳の男性は、18歳頃から、テレビで女性の水着姿などを見て大声をあげ走り回るようになり、22歳頃には母親などに抱きつくようになった。外でズボンを下ろすようにもなり、母親は「困った末に施設に入れた」。「精神安定剤の名目で」性欲減退の薬を投与するという施設側の提案に母親は同意した。

障害者の“性”と向き合えぬニッポン〔2011年11月4日 dot.〕

ところが、日本では性介助は「制度化されていない」

障害者の「射精介助」を行う一般社団法人「ホワイトハンズ」の坂爪真吾代表によると、日本では性介助は制度化されていない。

障害者の“性”と向き合えぬニッポン〔2011年11月4日 dot.〕

「性活動はQOLで、介護保険で対応できないというのが今の日本の介護姿勢」(玉垣努教授)

先の玉垣教授は「性活動をADL(身の回りの自立、日常生活をする上での活動)として考えるか、QOL(生活の質)として考えるか、その違い」で障害者の性の捉え方は変わってくると説明。「ADLなら介護保険で対応できるけど、QOLまでは担保しないというのが、今の日本の介護姿勢」と指摘する。

日本の医療は障害者を無視している。~シリーズ「障害者の性を考える」第二回~〔2015年6月8日 Spotlight〕

具体的な対処法は…〔1〕「障害者専用デリヘル」を利用

スタッフが介護関係の資格を持っている以外は、普通のデリヘルと変わらない

障害の程度によっては、一般の風俗サービスを利用することが難しい人もいるため、障害者専門のデリバリーヘルス(派遣型風俗)がある。草分け的存在の「ハニーリップ」では、コンパニオンを送迎するドライバーが介護関係の資格を持っていたりする以外は、普通のデリヘルと変わらないという。

「障害者向け風俗」の現在地〔2013年5月31日 週プレ〕

予約時などに障害の種類や介助の必要性などをヒアリング

介護福祉士の山本翔氏が2012年に設立した「はんどめいど倶楽部」には評価シートがあり、予約時などに、障害の種類、瑕疵の箇所、どんな介助が必要かなどを利用者からヒアリングし整理する。サービス中に気づきメモすることも。

障害者専門のデリヘル店主に聞いた、障害者の性サービスの現在と課題。〔2015年7月10日 handicap〕

酸素マスク着用者の場合は医療部隊を待機させることも

「はんどめいど…」スタッフの過半数は介護福祉士資格を持ち、持たないコンパニオンはできる範囲で対応するが、「困ることはほとんどない」(山本氏)。普通のデリヘルと異なるのは「たとえば酸素マスク付けるレベルの利用者の場合、緊急事態用の医療部隊かヘルパーが待機」させることなど。

流行らない障害者専門デリヘル。~シリーズ「障害者の性を考える」第五回~〔2015年6月28日 Spotlight〕

さまざまな障害レベルの人に利用されている一方、経営には難しさも

「はんどめいど…」では月約15名の利用があるが、それでは「ビジネスとしては回らない」(山本氏)という。利用者は、障害が軽度の人60%、重度の人40%。種類では、身体障害者が95%、精神障害者が5%。在宅者が90%、施設居住者が10%という。

流行らない障害者専門デリヘル。~シリーズ「障害者の性を考える」第五回~〔2015年6月28日 Spotlight〕

〔2〕そこまでエロを求めない人には「射精介助」

精神障害者は含まず、男性重度身体障害者のみが対象

一般社団法人「ホワイトハンズ」では、男性重度身体障害者のための射精介助サービスを行う。利用料は30分で2800円で、4~5年にわたる利用者もいるという。

障害者にも「当たり前の」性サービスを届けたい【坂爪真吾 INTERVIEW】〔2014年12月6日 タブロイド〕

スタッフは介護福祉士や元風俗嬢、医療用手袋をつけ行う

介助者は医療用の手袋をつけ、手で男性器を刺激して射精を促す。卑猥な言葉を言ったり、言わせたり、体に触れる行為は一切禁止。「慣れるとだいたい15分程度で終わる。スタッフには介護福祉士もいれば、元風俗嬢もいる」(同社代表の坂爪真吾氏)。

障害者の“性”と向き合えぬニッポン〔2011年11月4日 dot.〕

「僕には性風俗はトゥーマッチ。入浴ケアなどと同様に介助してもらえれば楽になる」(利用者)

数年にわたりサービスを利用する脳性まひの男性は「性風俗は僕にはトゥーマッチだった。好きでもない女の人の裸を見たり…したいわけじゃない。でも『たまる』という感覚はある。…お風呂や排泄のケアと同じように、射精の介助をしてもらうことができれば、多くの障害者が楽になれると思う」と話す。

障害者の“性”と向き合えぬニッポン〔2011年11月4日 dot.〕

異論も…「エロを欠落させ、健康増進のための射精では性的な欲求を満たせない」(横須賀俊司准教授)

自身も障害を持つ広島大の横須賀俊司准教授は「エロを欠落させ、健康増進のための射精では性的な欲求を満たせないと思う。性はエログロナンセンスが大きな部分を占めているから。…健常者が経験できることは障害者でも、あたり前に経験できる社会であるべき」と話す。

障害者の“性”と向き合えぬニッポン〔2011年11月4日 dot.〕

〔3〕他人に頼らず…自慰行為「補助グッズ」利用も

「TENGA」固定ベルトや「孫の手ローター」

NPO法人「ノアール」は、身体障害で自慰行為ができない人のための自助具作りなども行い、これまでオナニーグッズ「TENGA(テンガ)」を固定するためのベルトや、孫の手の先にローターをつけて、性器に届くようにした「孫の手ローター」などを製作。

熊篠慶彦さん(2)きれいごとでごまかさず、取り組む…NPO法人設立〔2015年8月10日 YomiDr.〕

「TENGA」“生みの親”が専用自助具の開発に参加

TENGAは2005年発売以来、世界的にヒットし、リハビリなど医療現場でも活躍してきた。障害者にも快適な自慰行為を楽しんでもらいたいと、その生みの親である松本光一氏もノアールや作業療法士と共同で専用自助具の開発を行う。

全自動TENGAが完成したら1万個配ります!~シリーズ「障害者の性を考える」第四回~〔2015年6月22日 Spotlight〕

手の不自由な場合の自慰行為「実践映像」もネットにアップ

ノアールは、団体ウェブサイトのリンク先から、熊篠氏自身がマスターベーションする映像を閲覧できるようにしている。手の不自由な障害者がどのような困難を抱え、どのような介助が必要で、自助具をどのように使うのか、想定しながら実践しているという。

熊篠慶彦さん(2)きれいごとでごまかさず、取り組む…NPO法人設立〔2015年8月10日 YomiDr.〕

日本の障害者は「情報」を求めている?

「障害者でもOKの風俗とかある?」など、“仲間”同士で情報交換

「障害者でもOKの風俗とかある?みたいな情報交換も、割と平気でしてますね、僕の場合は」と話すのは、事故の影響で両手を切断した青山健一さん。障害者の仲間と「情報をシェアしあうことで、自分の生活に役立てている」という。

乙武氏不倫、障害者の意見を聞いてみた「障害があるからこそ感じる征服欲とセックス」〔2016年3月25日 TOCANA〕

一方、海外では…障害者のための「性的介助」が充実する欧州

オランダを皮切りに、デンマーク、フランス、ドイツなどで普及

欧州連合(EU)で初めて障害者のための性的介助サービスを導入したのはオランダで、その後にデンマークやフランス、ドイツ、スイスが続いた。チェコでも2016年2月、性産業に携わる女性たちを支援する団体が同様のサービスを設立。

チェコで障害者のための性的介助サービス、支援団体立ち上げ〔2016年2月15日 AFP〕

性交から「アドバイス」まで、サービスは多様

サービスは多様で、性交が含まれるものや、マッサージやアドバイスに制限したものもある。チェコでは、性的介助サービスは合法で広告も出せるが、介助者から利用者に直接連絡を取らせることは違法とされる。

チェコで障害者のための性的介助サービス、支援団体立ち上げ〔2016年2月15日 AFP〕

オランダには、障害者に医療保険を適用する自治体も

オランダでは2000年に売春業が合法化され、「自営業者」として障害者を顧客にする人も。障害者のための性サービスを仲介団体も代表的なものが3つあり(09年現在)、その一つでは顧客として約2千人、セックスワーカーとして約1500人が登録。障害者がサービスを受ける場合、医療保険の適用を認める自治体もある。

男たちの幻想に寄り添う 地球人間模様〔2009年11月18日 47NEWS〕

スウェーデンは、性行為のために服を脱がせることなども介護の一環と考える

スウェーデンでは介護の一環として、障害者が自慰行為をするために補助具をつけたり、セックスする際に服を脱がせたりすることが認められているという。

障害者の“性”と向き合えぬニッポン〔2011年11月4日 dot.〕

海外には「セックス・セラピスト」もいる

性の悩みを抱える人に向けセックスのレッスンを施す「セックス・サロゲート」

米国などには、あらゆる性の悩みを抱える人に向け、精神衛生学などに裏付けられた方法論に基づいてセックスのレッスンを施し(実際にセックスし)、心を解放させる「セックス・サロゲート療法」がある。

「性治療士」と呼ばれる70歳の女性が自身の体験を書いた本〔2014年2月20日 ポストセブン〕

セックス「代理人」は全米に約50人

レッスンを施す人は「サロゲート・パートナー(性治療師、性行為代理人)」と呼ばれ、1960~70年代に西海岸を中心に吹き荒れた性革命の最中、職業として確立され、団体も設立。2014年現在、全米に約50人いる。

「性治療士」と呼ばれる70歳の女性が自身の体験を書いた本〔2014年2月20日 ポストセブン〕

パイオニアの女性は映画のモデルにも

米国には1973年から「代理人」として個人診療を行う、44年生まれのシェリル・T・コーエン・グリーンさんがいる。性教育者として博士号を持ち、講演やテレビ出演も多い。映画「セッションズ」は、レッスンを通じ、彼女と、首から下が全く動かない障害を持つジャーナリストの男性が交流する姿を描く。

名女優が熱演する「セックス代理人」衝撃の仕事の中身 日本では18禁指定に

映画「セッションズ」(2013年日本公開)

「私への情を深めないため」にレッスンは6回まで(シェリルさん)

サロゲート療法にはルールがあり、レッスンの回数は6回と制限されている。「セラピーの目的は、男性が私と学んだことを他のパートナーとの関係に生かすことであり、私への情を深めないため」とシェリルさん。

名女優が熱演する「セックス代理人」衝撃の仕事の中身 日本では18禁指定に

「売春婦と異なり、代理人はクライアントに批判的な意見も伝える」

ドイツの「障害者による自己決定のための研究所」所長で精神科医のサンドフォート氏は、代理人は「クライアントのベッドでのパフォーマンスに対して批判的な意見を伝えることもある」とし、代理人と売春婦との違いを説明。

障害者に性のアドバイスと喜びを〔2013年9月2日 swissinfo.ch〕

男性は性的不満で攻撃的になりやすく、施設からはそうした際の依頼も多い

同研究所のチューリヒ支部代表で、自身も代理人を務める男性によると、スイスには約20人の代理人がいる。障害を持つ男性の施設入居者には、性的不満から攻撃的になる人が多く、ほかの入居者や職員に迷惑をかけやすい。施設からはこうしたときにセッションの依頼があるという。

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