福岡県直方市の日本語学校「JAPAN国際教育学院」の経営者らが外国人留学生に不法就労をあっせんしていたとされる事件で、学校が3月末に閉校することが関係者への取材でわかった。幹部らの逮捕や県警による学校の資金の差し押さえなどで、運営が困難になったという。

福岡入国管理局によると、刑事事件に絡んで日本語学校が閉校するのは異例。学生が留学を続けるためには転校の手続きが必要になる。

同校をめぐっては、ベトナム人留学生4人に学校指定の職場で法定の週28時間を超える就労をさせたとして、会長の上野末次容疑者(57)ら幹部3人が今月23日、出入国管理法違反(資格外活動のあっせん)の疑いで県警に逮捕された。県警は留学生4人も同法違反(資格外活動)容疑で逮捕している。

入管法施行規則は、留学の在留資格の場合、アルバイトなどで働けるのは週28時間以内と定めている。だが4人は複数の職場を掛け持ちし、最大で週72時間働いていたとされる。県警は、同校に在籍する約180人の留学生の大半が、学校の指示で法定の時間を超える労働をしていたとみている。

上野容疑者の代理人弁護士は、朝日新聞の取材に対し、「学校の資金を差し押さえられた上、近く法務省から学校の告示を取り消される可能性が高く、学校の存続は事実上不可能になった」と明かした。

福岡入管は学校に対し、在学生の進学や就職の時期を考慮して3月末までは授業を続けるよう指導。これを受け学校は3月末に閉校する方向で調整している。

27日には入管の職員が同校を訪れ、法定の時間内のアルバイトは問題ないことなどを学生に説明し、不安軽減に努めたという。(張守男)

ログイン前の続き■留学生困惑「これからどうなる?」

経営幹部らの逮捕で閉校する見通しとなった福岡県直方市の日本語学校「JAPAN国際教育学院」。留学生の間には戸惑いや憤りが広がる。

「これからどうなる? 心、痛いです」。20代のネパール人男子学生は、たどたどしい日本語でまくし立てると、天井を見上げた。前払いした来年度の授業料が戻るか、心配していた。

直方駅近くの学校から自転車で10分ほど。宿舎として用意された2階建てのこぎれいなアパートの部屋には、スパイスの匂いがあふれていた。8畳ほどの広さに留学生3人で暮らす。以前は夜中までアルバイトで忙しく、顔を合わすことはほとんどなかったが、事件後はアルバイト時間が半減。集まっては将来について話し合う。

学校職員からは「3月までは授業がある」と伝えられた。だが「転校先は自分で探すか友人を頼ってほしい。転校できるようにサポートはする」と言われたという。

「学校は無責任だ」。ある男子学生はネパール語で訴えた。「学校を信じて日本に来たのに、こんなことになった。転校先を見つけるまでが学校の仕事だ」

日本で大学に進み、就職することを夢見ていた。両親は年収の何倍もの借金をして送り出してくれた。将来、日本で働けなければ借金は返せない。「転校するには、また何十万円もかかるはず」。アルバイトで稼いだ金も生活費などで使い果たし、貯金はない。「どうすればいいのか、わからない」

別の男子学生も学費や渡航費、仲介手数料として計120万円を支払って来日した。「もう他の国に出る金さえない。日本でやりたいことはたくさんあった。事件で夢を全部壊された」

男性校長は30日、取材に対し「非常勤で勤務しており、運営面など詳細についてはわからない」と話した。(藤山圭、岡田玄