60才で花開いた相田みつを

この記事は5分で読めます

eb3144554377227f94c0d97cccf620a87d76e5a3.05.2.9.2mitsuwo

 

誰もが一度は目にしたことがあるだろう。相田みつを。書をまとめた本「にんげんだもの」や「おかげさん」他50冊は累計1000万部以上のロングセラーと云われる。私も後に大ファンになる前、気づいたら2冊ほど買っていた。その後、起業家・相田みつをの人生を知ることになり、生地の足利市にも墓参り他で3回ほど行った。先日はついに家の玄関にも行った。奥さんが存命かも、迷惑だろうが、こういうバカが多いだろうが、思い切ってピンポン鳴らしたが、誰も出てこなかった(笑)。多くの人は「書」のことは知ってるだろう。が、書が生まれたバックグラウンドとなる、相田みつをの「人生」を知ってる人は少ないでしょう。以下は本人の講演をまとめた自伝です。

 

ダウンロード (2)

もう何十回読んだかわからない。読む度に発見がある。相田みつをさんは、あの書だけでもうなずく、気づきを沢山得られるが、この生前の相田さんの講演を書き下ろしてまとめた自伝と言っていいものを読めば、より、書が身に浸みる。ただ、育った家庭・学生・就職・転職・起業・経営・人生に悩んで、ダメだったことが多い人でないと効かないだろう。世の強者には「単なる負け犬の遠吠え」に聞こえる部分も多いはず。私も今まで就職転職に7回失敗し、億単位の他人の借金もかぶり、親は自殺し・・7回ウツになり・・・独立後も食うや食わずのサイテーの時期が長かった。家庭でも妻に迷惑をかけた。しかし、相田さんもそういう駄目な時期が多かったことを知り、安心した。人生に失敗はない。あるのは経験と学習と「しあわあせはいつもじぶんの心がきめる」という成功体験だけだ。今まで永年、コツコツと自分の道を歩く努力を続けているが芽が出ない・・しかしいつかは・・念ずれば花開く・・(諦めきれない)夢は必ず実現する!・・・とほのかな希望を失わない・・遅咲きの人に向けた、人生を逆転する指南書でもある。

 

と2005年頃、アマゾンレビューに書いた。

 

そう。相田みつをはフリーの書家=独立起業家だった。一時期は生協の職員やったり、書道教室もやった?が、30才頃から書だけに絞って自営業へ。定期的に個店を開くも、思うように売れない。いつも食うに困ってばかり。追い込まれ、飛び込み営業もやる。書を持って買ってほしいと。が、変な字だし、当事は理解されなかった。が、一定のファンはいた。旅館「なか川」のオーナーとか。他にも、飛込みに対応した和菓子「香雲堂」のオーナーが包み紙などのデザイン制作を頼む。絶賛される。が、裕福以前の普通のレベルにも達しない。経済的には。が、熱烈なファンは少しずつ増える。書にまつわるうんちく講演講師に呼ばれることも増えていく。そして56才の時、兵庫県の米田建築が創立12周年誌に相田みつをの書を巻頭特集。これが新聞に紹介されたこともあり、その後累計10万部を超える配布に。そして60才の時、松本というアパレルオーナーが自費出版したのが「にんげんだもの」。これがミリオンセラーになり、相田みつをブームが起きる。1991年、67歳で脳溢血死。

 

相田みつをは、自分の人生や、他の子供を戦争で亡くして自分に執着し、妻を虐める母のことで苦しみ、仏教・禅宗・道元の教えを地元の禅寺で学ぶ。その仏教思想が根底にある。それをわかりやすい書で大衆へ伝えるのが自分の使命だと。原理原則は仏教+自分の実体験=あの書だ。「負ける人のおかげで勝てるんだよなあ」とか、相田みつをは負け犬の遠吠え、マイナス思考、しんきくさいと嫌う人も多い。私もすべての書が好きなわけではない。が、私も痛い目にあったことが多いので、その書には思わずホロリとする事が多い。

 

 

以下はTVドラマ「相田みつを物語」

この47分から圧巻。

 

以下はドラマからメモ。

 

・小学生の頃、「道」の習字を兄から誉められ、その気になる。
・刺繍職人の家は貧乏で虐めに遭う。が、敢然と立ち向かう兄に「自分が正しいと思う生き方をすること」と学ぶ。
・戦争で兄2人が他界。母親は泣きわめき、兄の分まで期待がのしかかる。母が溺愛。チャイルドコンプレックス?
・関東短期大学の夜間授業中、おかしいと思った先生に噛みつく。
・働いていた生協?組合の不正を暴き、闇討ちに合う。
・寺の短歌教室?で師匠に会う。将来の伴侶もそこで見つける。
・友人、西村から伴侶候補との交際を後押しされる。

「この出逢いを運命に変えるのは、お前だぞ!」

・友人、西村から書道を誉められ、押されて個展を開く。
・伴侶候補から「逢」の字を「好きです!」と誉められ、その気になる。それまでは古典の漢文を書き写していただけだったが、その「逢」は相田みつをが初めて自分の意志?で書いた、自由に書いた書。
・結婚。しかし、書だけでは食えない。中学校の教師も目指すが、母の妨害もあり断念。改めて書だけで、筆一本で生きることを誓う。
・が、食えない。書が売れない。米もない。芋を食う毎日。貧乏の極致。が、妻は明るく、夫の可能性を信じて支援する。
・産業道路の建設反対運動に参加。
・「つまづいたっていいじゃないか にんげんだもの」みたいな書を連発する。

 

・エリートに出世した友人から、
「お前の書は下を向いている」
「所詮は負け犬の遠吠えだ」
と罵倒され、書道の大家からは「こんな書は最低。堕落している。大衆に迎合している」とこき下ろされ、やっぱり俺はダメなのか?俺は偽善者だと悩む。自分の書を破り、妻にも当たり散らし、「出てイケ!」と。
・妻が割れた書の掃除をしていると「あなたに逢えてよかった・・」の書が出てきて大泣き。
・寺の師匠の元で修行、迷走、瞑想。沈思黙考。
・食うために、書を持ってアチコチに飛び込みの民家や店に売り込み。断られる。
・地元、栃木県足利市の和菓子店「香雲堂」に飛び込み営業。受注!

「ひとつのことでもなかなか思うようにならぬものです。

だからわたしはひとつのことを一生けんめいやっているのです」

 

「この書は私の住んでいる足利市内にある和菓子の老舗「香雲堂本店」の〈古印最中〉の栞として使われていることばです。香雲堂さんは、もなか一つで全国的に有名になりました。私は若い頃、生活のために、商店の包装紙のデザインや宣伝文を作る仕事をやっておりました。家にいたのでは仕事はきませんからあちこち注文取りに歩きました。香雲堂さんに行った時のことです。ご主人が自分の店の包装紙を私に見せて、「これよりいいものを作る自信がありますか?」と聞くんです。私は即答しました。「自信は少しもありませんが、うぬぼれだけはいっぱいあります。」するとご主人は、「ほう、あんたはおもしろい、頼もう!!」ということになりました。私は一生懸命に包装紙をデザインし、栞のことばを考えて書きました。現在見ると大変恥ずかしいものですが、このことばは、包装紙と共にいまだに使ってくれております。おかげさまです」。相田みつを

 

・その後、細々と個展を開き、これはテレビにはなかったが、ある時、どこかの建設会社が会社の周年記念で相田みつをの冊子を創り、それがきっかけで本が出て大ブレーク・・・したのが60歳過ぎ。60歳越えて!!!。ココがいいね。

 

あと、ドラマの中の印象的な言葉・・

夜間大学を出て、東京の建設会社に入り、若くして部長に出世した友人、麻生が、食えない相田に言う。

 

「世の中は最先端の勝ちに行っているものに興味がある。こんな書のこんな言葉・・・なんでお前は下ばかり見ている。所詮は負け犬の遠吠えだ。お前とお前の読者は負け犬だ」

「負ける者がいるから、勝つヤツがいる。負けるのも立派な人生だ」

「そう言いながら、お前は本当は勝ちかたっかたんだろう。そうだろう」

「・・・・・・・」

 

その後、麻生の会社は倒産。浮浪者となる。俺の生き方が間違っていたのか・・と、作家で書家で人生逆転した故郷の相田を訪ねると、相田は脳出血で病に伏していた・・。

おかげさん・・相田の書を見ていた妻が呟く。
「おかげさん。そうね。おかげさんね。今はまだ貧乏だけど、こうして暮らしていけるのは、沢山の人のおかげね」

「そうだな。おかげさんだ。どうやって返していくか・・恩をどうやって返すか・・」
「生き様だ。生き様で返すしかないな」
「生きざま・・」

書を誉めた兄、寺の師匠、両親、励ましてくれた友人、妻、書を買ってくれた人達・・・罵倒した書の大家・・・すべてにおかげさんなのだ。

「出逢いを運命に変えるのは 自分だ」

 

守・破・離。相田があったのも、最初は伝統的な書の修行、モクモクと古典を写すだけの「守」の時期があったからだ。それから破。「逢」の字が最初で・・・その後に「離」。自分の好きな言葉を自由に書き・・・・しかし、多くの人に感動を与える書をと。その客層は「負け犬」であり、「経済的には勝ったが、人生で負けた人」であり、まあいわゆる弱者だな。なんというか、俺もこういう人生を歩みたいと思った。事業で成功して億万長者ではない。年収何千万・・・まったく興味ない。虫ずが走る。そうだな。そうなんだ。本当は少しは億万長者になりたいという気がないこともないが、本当は勝ちたかったのかも知れないが・・・それは経済的にということだろうが・・・・それはそこそこでいい。俺は金の欲に溺れた連中とその攻防で、栢野家の全財産を失っている。財産どころか親までも。その渦中では自分が鬼畜に変身するのを見た。この世の者とは思えない姿だった。だからかどうか、ある程度の金が入ってくると仕事をしなくなる。俺は負け犬かもね。しかし、正義、正しいことを貫くのだ。何が正しいか??だが。不正を見つけたら、完膚無きまでに叩きのめすのだ。自爆覚悟で。まあ、自殺行為は得意だからな。先祖代々。

 

負け犬でもいいじゃないか・・・・そう言いながら、本当は勝ちたかったんだろう。お前は・・・そうだ、俺は克ちたかった。自分に。いや、克つ。己に克つ。俺は栢野克己だ。

 

しかしなあ、相田みつをは貧乏だったから、挫折や失敗を繰り返したから、庶民の気持ちがわかり、敗者の気持ちもわかり、その後、成功もしたから感謝の念も出てきて・・・成功して謙虚になったら、本当の感謝ができるようになるよなあ。そして余裕が出来たら、入ってきた金を全部使うなあ。馬鹿な私・・・いや、バカとは思ってないだろう。栢野。そうねえ、思ってないねえ。金を稼いでから世のため人のためとかいうが、稼いでなくてもいいじゃないか。バカになれる青春は短い。かもしれない。若者のボランティアは美しい。いや、成功してもしなくても、普通の生活、人生でも、できることは山ほどある。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

著書

おすすめカテゴリー記事